内容説明
日本武道界を代表する講道館に、挑戦状が送られる。対戦者はサンテル、受けて立つのは…。異種格闘技戦の原点はここにあった。
目次
第1章 サンテル、講道館に挑戦す
第2章 講道館柔道と嘉納治五郎
第3章 柔道の海外発展
第4章 プロレスの隆盛とサンテル
第5章 サンテル対日本柔道
第6章 サンテルの挑戦に対して
第7章 決戦前夜
第8章 日米国際試合
第9章 闘いのあと
第10章 「サンテル事件」の波紋
終章
著者等紹介
丸島隆雄[マルシマタカオ]
昭和37年(1962)、神奈川県平塚市生まれ。東海大学文学部史学科日本史専攻を卒業。「相模国中郡煤ヶ谷村における由井正雪一党搦取の一件」で第22回郷土史研究賞(新人物往来社主催)特賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jm
2
これめちゃめちゃ僕的には興味深いテーマです。興行と八百長、武術とスポーツ(競技)、異種格闘技戦とは?他流試合とは何なのか?等々、90年代の格闘技・プロレスシーンが蘇ります(笑)自分は柔術→柔道への集約、柔道のスポーツ化は戦後GHQへの必死の阿りの産物と理解していたのですが、この20年代初頭のサンテル戦で少なくともスポーツ柔道への軌一化は完了していたんですね。そこは新しい学びでした。ただ、事実(出来事)の羅列が多く、少し集中しづらい構成だったのと、嘉納治五郎に少しロマンを纏わせ過ぎかなとは思いました。2025/02/27
よしだ まさし
2
丸島隆雄『講道館対プロレス初対決』島津書房を読了。 サブタイトルに「大正十年サンテル事件 異種格闘技の原点」とある。 初期の講道館柔道は、海外で異種格闘技戦を繰り返すことで世界中に普及していった。コンデ・コマこと前田光世の事例などでもよく知られている事実である。 だが、大正十年、サンテルというプロレスラーが柔道と対決するために来日した際に、講道館はこのレスラーとの戦いを拒否し、戦いに応じた柔道家たちを破門扱いとする。 実は、講道館館長の嘉納治五郎は、当初は積極的にこの異種格闘技を支持し、門下の2012/10/18