内容説明
鉄舟門下小倉鉄樹が師の事を語った炉話を鉄樹門下石津寛がこれを纏め、牛山栄治が決定本として世に出した鉄舟本の完全復刻版。鉄舟ファンにとって垂涎の書とされる。
目次
鉄舟の生立
鉄舟と禅
鉄舟と剣
尊王攘夷
明治大帝と山岡
春風館道場
鉄門の四天王
鉄舟の書
鉄舟と貧
鉄舟と酒
鉄舟の臨終
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
102
面白過ぎるではないか！古書価が上がっていて入手しにくいのがもったいない！講談社やちくまは学術文庫で速攻出すべきである。『福翁自伝』や『氷川清話』より面白く、文庫書き下ろし時代小説より面白い。本書は幕末明治の豪傑・山岡鉄舟の内弟子だった小倉鉄樹が師匠から聞いた話や自分が見聞した話を語った鉄舟伝。多少大袈裟に言えば、元祖『魁！男塾』と言って良い内容で、勝海舟贔屓で鉄舟が苦手だった私がすっかり鉄舟好きにさせられた。梶原一騎の格闘家漫画や糸井重里による矢沢永吉『成り上がり』すら思わせる。奇人怪人大図鑑である。2019/01/15
チダ（uy1）
2
ルビがふってあり読めた。著者は藤平光一氏が師匠とした一人。尊王攘夷の様子から家族、振る舞い、荒くれ者の弟子たちとのやりとり寛容さ、金銭執着なさ、大酒飲み、そして往生の様子、武の達人が一生人を殺さなかったともある。p227；「勝海舟の仕事には山岡とはあべこべで「ごまかしが交じって」」など興味深く、歴史番組等を鵜呑みにしてはいけないとここでも思った。また、アマゾン価格に驚いた。現代版がでたらいいなぁと思ふ。2018/06/03
ガイオ
2
私の人生の師匠も山岡鉄舟です。この方は大政奉還・無血開城・静岡開墾・明治天皇教育などを行った、剣・禅・書の有名な方なのですが、自分がやった事の記録を残さなかったため、現在ではほとんどの方が知らないという状況になっております。弟子たちが、自伝を書くように迫るのですが「後世に残るものならほおっておいても残るだろう」と結局何も記録を残さず、名誉を勝海舟に差し上げてしまった様な方なのです。それを惜しんだ弟子の鉄樹が懐述した本であり歴史の真実として痛快な部分があります。歴史好きな方は一度読む価値ありと思います。2015/10/03
kasazo
1
以前、心身統一合氣道を習っていて、そこの先生が影響を受けた本ということで読みたかった一冊でした。復刊ドットコムで復刊されて結構な値段で買った記憶があります。アマゾンの値段と同じくらいだったと。独り身だったから出来た事ですね。さて、幕末から明治維新にかけて生きた山岡鉄舟について、弟子の方が書かれた本です。取り敢えず現代では考えられないスケールの話です。天才が無茶な鍛錬をして運良く死ななかった人が活躍でき、歴史に名を残す。読みやすく豪快で当時の事が活き活きと描写されてます。読める機会があれば是非。2001/06/01
