出版社内容情報
『常陸国風土記』に描かれた王化のための東征(侵略・殺戮・収奪・追放・哀恋 )で、ゆえなく潰え去った水辺民と物言わぬ神々の姿、歴史の騙りごとを読み解く歴史紀行。
▼収録目次 第一部 鹿島大神と要石 天離る宮処を遠み/かがいのふるさとへ/手子姫の社に立つ/虐げられた神々/気吹戸主の風寒し/鹿島神は侵略神だった/本命の鹿島神は滅された要石/疑惑に満ちた王権の正義 第二部 霞ヶ浦湖畔の河童流亡 化蘇沼神との対面/春立ちぬ/神崎のナンジャモンジャ/あんば様参り/うな重と虚空蔵さん/阿弥神社の小祠/地方自治の先駆者・平将門/16章 夜刀神への鎮魂/17章 筑波山、つくばってさえ…… 第三部 渚に砕けた神々 いわき・沼ノ内の弁天様/波立薬師での馬鹿っ話/弟橘媛に化けた天妃さん/天津甕星の宿魂石/石にされた神々/逆列の神と鬼洗いの神/大櫛の岡から静織の里へ/子生弁天と沼尾神
内容説明
「河童はいます」「見える人には見えます」と、牛久沼の住人、小川芋銭翁は呟いた。その芋銭翁が描ける河童像には「誰が識る、いにしえ人の竜を画ける心」の画賛がある。「なぜ河童を描くのか」と訊かれ、芋銭翁が答えた言葉だという。芋銭の熱い想いに触発された稲毛・晦妖坊、香取・天真坊、大和・八丁坊なる自称三匹の老耄カッパが河童と竜、河童と神々のルーツを探るべく旅に出た。これは『常陸国風土記』という〓歌のふるさとを舞台に、三匹の河童が綴った奇態きわまる道中記、珍妙なる急ぎ旅の点描である。
目次
第1部 鹿島大神と要石(天離る宮処を遠み;〓歌のふるさとへ;手子姫の社に立つ ほか)
第2部 霞ヶ浦湖畔の河童流亡(化蘇沼神との対面;春立ちぬ;神崎のナンジャモンジャ ほか)
第3部 渚に砕けた神々(いわき・沼ノ内の弁天様;波立薬師での馬鹿っ話;弟橘媛に化けた天妃さん ほか)
著者等紹介
沢史生[サワシセイ]
1927年水戸に生まれる。本名・出沢冨美夫。1948年読売新聞社入社、編集局地方部、科学報道本部、連絡部記者。1982年読売新聞社を定年退職、小学館「ニッポニカ」編集委員。2003年老耄たるにより、日本ペンクラブ退会
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