出版社内容情報
“巨人”漱石にとっての英文学と英国留学が創作にいかにかかわったか! 漱石が読破し、参考にしたと思われる資料はもとより、ホメロスからラングの『幽霊譚』まで広く原典を渉猟、厳密な検証と複眼的な読み込みによって、漱石の方法と作品の材源・背景の解明に成功した労作。定説、通説の間違いを具体的に指摘──江藤淳の漱石論、岩波書店版『漱石全集』第2巻(1994年) ──した初版は、大きな反響を呼び、2002年の岩波版『全集』の註では、その多くが利用された。本書によって、新たに構築された漱石像と作品の背景叙述は、多数の図版とあいまって、まさに“謎解き”的興味をそそる稀有な学術書。漱石研究に新たな窓を開けた初版の改訂と合わせて、カラー口絵四点と第六章として「漱石とカーライル」を増補。初版時にページ数の関係で割愛した索引を付して完璧を期した。
内容説明
ホメロスからラングの『幽霊譚』まで広く原典を渉猟、厳密な検証と複眼的な読み込みによって、漱石の方法と作品の材源・背景を解明、定説・通説に修正を迫った労作。カラー口絵4点と第六章として『漱石とカーライル』を増補。
目次
第1章 「倫敦塔」
第2章 「幻影の盾」
第3章 「琴のそら音」
第4章 「薤露行」
第5章 「趣味の遺伝」
第6章 漱石とカーライル―「カーライル博物館」を中心に
著者等紹介
塚本利明[ツカモトトシアキ]
1930年東京に生まれる。1954年東京大学文学部卒業。現在、専修大学名誉教授
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