出版社内容情報
日本と朝鮮半島、一衣帯水の関係は古代においてまさに“一体”に近いものであった。武寧王の出自から始め、古代日本の遺物に遺る謎を追求し、百済が偉大なる“海洋国家”であったことを示しつつ、キトラ古墳に埋葬された百済王族の秘密を探る。韓国の研究者による決定版。
Ⅰ百済武寧王(斯麻王)の出自に関して─彼は蓋鹵王の太子
Ⅱ「隅田八幡神社所蔵人物画像鏡」の銘文を見て
Ⅲ『日本書紀』の「天皇・崩」、「百済王・薨」は加筆─武寧王(斯麻)の逝去は大王の死・「崩」
Ⅳ七支刀銘文の新しい解釈─倭王旨は百済の「王族」
Ⅴ倭王武の上表文を見て─倭王武は武寧王の少年時代
Ⅵ武寧王陵の遺物で比定した船山古墳被葬者の身分
Ⅶ南郷村の大王銘馬鈴と感恩寺出土の大王銘馬鈴
Ⅷ『梁職貢図』に見る百済武寧王の彊土─王の世の中は実に巨大な領域
Ⅸ『隋書』の百済附庸国・躬牟羅国はどこか
Ⅹキトラ古墳の被葬者は誰か
内容説明
明日香のキトラ古墳に埋葬された百済王族の秘密を解く。「古代日本の遺物」の謎解明。韓国の研究者による決定版。
目次
1 百済武寧王(斯麻王)の出自に関して―彼は蓋鹵王の太子
2 「隅田八幡神社所蔵人物画像鏡」の銘文を見て―百済武寧王(斯麻)は「大王年」代を使った
3 『日本書紀』の「天皇・崩」・「百済王・薨」は加筆―武寧王(斯麻)の逝去は大王の死・「崩」
4 七支刀銘文の新しい解釈―倭王旨は百済の「王族」
5 倭王武の上表文(四七八年)を見て―倭王武は武寧王の少年時代
6 武寧王陵の遺物で比定した船山古墳被葬者の身分
7 南郷村の大王銘馬鈴と感恩寺出土の大王銘馬鈴―大王銘馬鈴は百済王の贈り物
8 『梁職貢図』に見る百済武寧王の疆土―王の世の中は実に巨大な領域
9 『隋書』の百済附庸国・〓牟羅国はどこか―それは済州島でなく台湾か
10 キトラ古墳の被葬者は誰か
著者等紹介
蘇鎮轍[ソチンチョル]
1930年(韓国)全北益山生まれ。53年ソウル大学法学部卒業。高等考試(行政科)合格。57年(米)南イリノイス大学M.A.。63年(米)オクラホマ大学Ph.D.。60‐85年(韓国外交官として)シンガポール、アフガン、ヨルダン大使歴任。64年(米)メリランド大学(ソウル分校)講師。86年(米)バークリー大学研究教授。87年以来円光大学教授、客員教授。97年東アジア史学会(東京)会員
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