出版社内容情報
“東欧革命”から10年……。バルカン半島はユーゴスラヴィア解体に始まるセルビア人とクロアティア人の内戦、ボスニアでの内戦、そしてコソヴォを巡る戦争……。1990年代に噴出した民族主義の嵐の根源は何か。近代国家という共同幻想を打ち破る錯綜する民族の混在の現実のうえに、“民族浄化”へはしらせる諸民族固有の集団的記憶としての“神話=イメージ”形成のエポックを歴史過程のなかに読み取り、その現実性とイメージの検証を通してバルカン世界の本質に迫る。訳者によるバルカン研究の成果を訳注及び解説で展開する。
第1章 土地と人間
第2章 歴史と神話
第3章 国民と民族
第4章 国家の確立
第5章 政治生活のモデルと列強(1918-1945年)
第6章 モスクワヘの賛否
第7章 経済発展の遅れ
第8章 今日の間題
訳者注 バルカンの民族神話
訳者解説 バルカン研究の行方
付録 年表(東方問題、諸国家の成立)
内容説明
噴出する民族主義の嵐の根源は何か!バルカンの歴史的現実性とイメージの検証。“民族浄化”へはしらせる諸民族固有の集団的記憶としての“神話=イメージ”形成のエポックを歴史過程のなかに読み取り、バルカン世界の本質に迫る。
目次
第1章 土地と人間
第2章 歴史と神話
第3章 国民と民族
第4章 国家の確立
第5章 政治生活のモデルと列強(一九一八‐一九四五年)
第6章 モスクワへの賛否
第7章 経済発展の遅れ
第8章 今日の問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
13
フランスのバルカン史家による著書。該当地域を定義するのが難しく著述対象はモルドバ辺からギリシャ本土、さらに北に旧ユーゴと広い。要は旧オスマン領の欧州部分であり、オリエンタリズムの偏見も覚悟する必要がある。オスマンの宗派自治制度により、行政を重視し神学を軽視するに至ったと興味深い記述がある。ルネサンスも近代科学の発達の乏しいまま生業的農業社会が継続し、周辺の政治勢力に揺さぶれた後スターリニズムに見舞われる悲劇。内容が細かく文法的に主題の不明確な記述にもあるが、巻末の訳者による解説は有用で、理解の助けになる。2024/08/23
俊太郎
1
政治中心のバルカン史。各々の民族の拠り所を「歴史と神話」という形で括って一つの章にしてあるのが面白い。膨大な訳注もあり、翻訳は非常に丁寧。1990年代までの記述なのでその後は別に補う必要がある。2017/12/13
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