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出版社内容情報
少年の息づかいが聞こえてくる、山村での甘酸っぱく、ほろ苦い青春、そして日々の生活。ベストセラー作家が描く文学史にのこる“スペイン版スタンド・バイ・ミー”。――「この小説はドン・キホーテ以来受け継いできたスペイン文学の伝統を引き継いだものである。主人公に立身出世を望む父。その主人公も金持ちの娘ミカに憧れ、年が十も違うのに結婚さえ望む。これらを理想主義の象徴とすれば、この村に止まり、ガキ大将ローケの下に庇護されて、楽しく子供として過ごし、やがてはソバカスだらけのウカ・ウカをお嫁さんにしようか、という現実主義、この二つが主人公の心の中で絶えず戦いながら、最後にウカ・ウカによって、現実主義と理想主義の統一を暗示する構成になっている。また、悪童三人組が繰り広げるいたずらの数々、ガキ大将ケーロの逞しさはピカレスク小説の祖『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』を彷彿させるものがある。」(訳者あとがき)
内容説明
スペイン版“スタンド・バイ・ミー”!少年の息づかいが聞こえてくる、山村での甘酸っぱく、ほろ苦い青春、そして日々の生活。ベストセラー作家が描く文学史にのこる記念碑的作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
70
緑多いスペイン北部の小さな谷の村。その村のはずれのチーズつくりの子ダニエルは、実は自分の仕事を嫌っている父親の強い望みで、都会で勉強するため村を離れることになっている。村を離れる直前になってダニエルの頭に浮かぶのは、村の生活であり、友人たちとのちょっとしたいたずらや冒険であり、淡い初恋であり、少年期から大人へと自分は変わったのだと感じた瞬間であり、親友との別れ。甘酸っぱくちょっと悲しい大人への移行が、その村に吹く爽やかな風を感じさせる淡々とした文章で描かれていく。2019/02/09
ゆたか
3
1950年作品。ある谷にある小村の人々のエピソード集。物語の中心は少年「ミミズク」ことダニエルと、ガキ大将の「牛糞」ローケの二人。登場人物のほとんどは妙な名前で呼ばれている。しかし、こうやってニックネームで呼んでもらえることが村に溶け込んだことの証であるらしい。翻訳が良いのか、原文が良いのか(外国語の小説の文体を云々するのは困難である)、スペインの田舎の村の空気が伝わってくるようだ。2014/01/27
serene
1
すごくよかった。 幸せって、こういう本に出会えることなのかな。2010/12/28