メアリ・バートン―マンチェスター物語

メアリ・バートン―マンチェスター物語

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  • サイズ A5判/ページ数 477p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784882025184
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ヴィクトリア朝のマンチェスターを舞台に、さまざまな人間模様を描き、英国「社会小説」の先駆的作品となったギャスケル夫人の感動のデビュー作!英国文学史に遺る愛と赦しの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

120
著者の処女作。新興工業都市マンチェスターの労働階級の父娘が工場主の階級との絡みで惹き起こす悲劇と最後の明るい展望の物語。ずっしりと読みごたえがあった。いくつかの感想:①この本の出版された1848年はマルクスの「共産党宣言」の発行年であり、協調主義と闘争主義の対比が興味深い。②メアリーの叔母エスターがマグダラのマリアを想起させる。③作者の非凡な物語作家の「物語設計能力」が際立っており、物語の暗転から解決までの道のりが見事である。④今回も「ディケンズ的人間愛」が感じられて読後感が爽快だ。G625/1000。2024/10/05

松本直哉

26
産業革命の発祥の地マンチェスターにおける労働者階級の悲惨な状態(若きエンゲルスも目撃した)、貧窮極まってアヘンに溺れたり女性は売春したり、しかしそれを変えていこうとする労働運動に身を捧げたメアリーの父ジョンの行動的な生がきわやかだが、その行動が一つの事件を引き起こしたことで物語が大きく動き出し、冤罪の思い人を救うために東奔西走するメアリーの活躍が目覚ましい。労働者の敵であり被害者の父でもある資本家カースンによる赦しと和解はいささか作り事めいているが、たとえ虚構でもこのような寛容の物語を皆欲していたのだろう2024/11/12

kasim

3
ヴィクトリア朝らしい、ゆったりした流れと巧みなストーリーテリングが心地よい。ギャスケルの長編は『クランフォード(女だけの町)』以来。あちらに比べるとぐっとシリアスだが、結局、登場人物が皆「いい人」というのが、この作品の強みなのか弱みなのか、今は決め難い。私は労働者の過酷な暮らしを描いた前半も面白かったです。2015/05/15

takeakisky

1
マンチェスター。商業戦争の煽りを受け、不況の続くイギリスの工業都市。1830年代かな。徐々に自由貿易主義が擡頭してくるが、生産力が飽和している。厳しすぎる環境に置かれる労働者とその家族。メアリの父ジョンも同様。前半はゆっくりとそういった社会情勢と家族が描かれる。作中人物も作者も一生懸命すぎて余裕がない。さすがに焦れる。200頁ほどそんな調子。ここから思いもよらぬ数々の試練に私の心は曝される。気づけば頁を繰る手が止まらなくなっている。彼らのおかれた社会と心のうちに思いをいたす。同胞という言葉の広さと重さよ。2023/12/11

timeturner

1
前半はちょっとだらだら進む部分もあって挫折しそうになったが、殺人事件が起きてからはハラハラドキドキさせて一気に読ませる。2010/06/23

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