内容説明
本書では先ず、釈尊の時代からはじまる仏教の歴史をとおして、大乗仏教が内蔵するいくつかの謎について考えた。薬師如来は、古くから「ヤクシサマ」として親しまれ、広い信仰をあつめてきた仏である。またこの仏は、外道との結びつきが強い仏であった。薬師如来とその眷属である諸仏を考えることにより、仏教が持つ外道とのかかわり合いを広く、深く把握することが可能になる。隠された鬼神信仰。
目次
第1章 仏教の歴史と秘められた謎にせまる―原始仏教と大乗非仏説
第2章 越後弥彦山と洛北鞍馬山にみる外道の「鬼神圏」―諸仏の素性と本地を探る
第3章 古代インドの外道で活躍した魔族たち―魔族(アスラ)のルーツと素性を探る
第4章 ヤクシブツ(薬師如来)の隠された原像―その原像を古代インドのバラモン教の神・ヴァルナにみる
第5章 真言密教と習合したヤクシブツ信仰―ヤクシブツと観音、不動、阿弥陀、大日の諸仏たち
第6章 関東地方のヤクシブツ信仰圏を訪ねる―ヤクシブツ信仰につながる前方後円墳の謎
第7章 小乗(上座)仏教の心髄と大乗仏教の素性を探る―小乗仏教に伝えられた釈尊の教えと実践
付章 日本と他国の葬儀の実態をみる―世界があきれた日本の葬儀費用の異常な高さ