内容説明
中米・“ラディーノ国家”の光と影!知られざる“内戦”と先住民の国から。無数のマヤ遺跡群と色彩豊かな民族衣装―だが、グアテマラは35年間に及ぶ軍部独裁による陰湿な“隠された内戦”の国でもあった。
目次
第1部 独裁から“束の間の春”へ(独裁者ホルヘ・ウビコ;束の間の民主主義 ほか)
第2部 軍部独裁政治―見えざる恐怖(冬の時代―軍事政権の政策;軍事政権と先住民 ほか)
第3部 民主主義への模索(脆弱な民主主義;農地改革ふたたび ほか)
第4部 平和への道(ホルヘ・セラーノ大統領の失脚;人権オンブズマン、デ・レオン・カルピオ大統領の登場 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
1993年5月25日、セラーノ大統領は議会を解散し、憲法、最高裁判所の機能停止を発動、大統領自身によるクーデタを起こす。腐敗一掃が理由と強調した大統領だったが電気料金値上げに関して電力公社から多額の賄賂を受け取っていた。大統領は議員48人に賄賂を渡して料金値上げ承認を依頼するも失敗、軍は大統領に辞任を迫る。世界からの非難でクーデタは一週間で終了、体制を維持していた軍が大統領を失脚させた。前任者と同じくセラーノも軍の人質でしかなく、大統領府には軍人補佐官がおり全ての情報を検閲管理しているという。2021/03/04
印度 洋一郎
1
1930年代のホルヘ・ウピコ大統領の独裁政治から、1990年代半ばの内戦終結まで約70年間のグアテマラ史。グアテマラには大規模なプランテーションを持つアメリカ資本のユナイテッド・フルーツ社に経済が従属する形で成り立つ歪な構造があり、それが植民地以来の大地主による土地の寡頭支配がもたらす農民への苛斂誅求が加わって、この国を陰鬱にしていた。ウピコ政権後の1940年後半から民主化の動きが始まるが、それを危険視するアメリカの介入で頓挫し、以後長らく軍事政権とそれに反発するゲリラとの凄惨な内戦に突入する厳しい歩み。2024/10/24
oyatsudoki
0
暴力とゲリラと政治腐敗と。2012/07/20