内容説明
戦後文学の巨星野間文学の宇宙地理を読む。
目次
序章 野間宏の世界とは何か
第1部 『青年の環』論(「娼婦」の飛礫・「梅毒」;疾走する跛行者・「ちんば哲学」;「蘇る魂」の綱わたり・「道化」;「悪」〈差別〉の散華・「殺人」;「したたかな弱者」たちの中へ・「民衆」)
第2部 「全体小説」への階梯群(「仕方のない正しさ」からの出発―『暗い絵』;腸詰になった自我―『崩解感覚』;軍隊と〈ドジ〉な兵隊の抵抗―『真空地帯』;失われた「夢」―『さいころの空』;「悪」〈貧困〉を切り裂く一角獣―『わが塔はそこに立つ』)
第3部 野間宏の遺したもの(最後の自己構築―『生々死々』;遺された「志」―『狭山裁判』)