内容説明
父によって見捨てられたサム・クレメンズが、今、「マーク・トウェイン」として逆にその父を見捨てようとしている。あるいはこう言った方がいいかもしれない。サム・クレメンズが「マーク・トウェイン」であるためには、父と縁を切らなくてはならない、父を見殺しにしなくてはならない。そのとき彼の脳裏には11歳のあの夜、鍵穴からのぞき見た父の体が解体されてゆく凄惨な光景が去来していたのかもしれない。ふたたびあの時の罪悪感がいつ覚めやるともしれぬ悪夢のように彼のもとを訪れたかもしれない。
目次
序 マーク・トウェインと小説
1 迷走の起源
2 トム・ソーヤー誕生
3 「テリトリー」に逃げ出すこと
4 宿命転換の行方
5 切断の意味、あるいは父殺しふたたび
6 終わりの意識
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