内容説明
思いをめぐらし続けると、結局は何もわからなくなってしまうのだったが、それでもある想いが私の心にまといついて離れないのだった。その想いに確信をもったわけではけっしてない。ただ固定観念のように繰り返し心に立ち戻ってくるだけだったのだが。そのある想いとは―いささか誇大な言辞になることを許していただかなければならないが―私だけではなく、多くの人々が、特に日本人が、かつて確かにあったのをこの数十年の間に失ってしまったある時間の感覚に、今日ひそかに郷愁を感じているのではないか、という思いである。
目次
1 現代心象風景
2 文芸断想
3 追憶と内省
4 他生の縁―出会いの記
5 自然幻想
6 心ここに
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