感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
23
今読んでいるライプニッツの『モナドロジー』に出てきた「至るところ中心であり、しかしその円周はどこにもない」「すべてのものは直接神に現前していて、この中心からの距離がない」という神のイメージ、あるいは、無限の宇宙のイメージが、そして、古来からそのイメージの源泉であったであろう太陽が、彼女の詩にも登場する。しかし、私の印象では「エミリの逆説」と呼びたくなるような「非難はちょうど賛美と同じくらい大切で/賛美は非難と同じにすぎないんです」といった言葉が、というより彼女の裏返り続ける入れ子状のアンビバレンスが、2021/02/16
おおた
13
鉛のように重たい曇天の中をひとひらの羽が風に翻弄されている。神と詩と自然を愛し、それでいていつも死からの視線を浴びていた。季節と対話し、光を脱ぎ捨て、真の世界は歓喜に満ちて光輝くと信じていた人。白い光に全身を包まれるような、清澄な体験ができる一冊です。2015/08/16