内容説明
禅宗は精神の自由を求めた「アウトロー」たちから始まった。本書は、禅宗研究の分野で多くの成果を挙げてきた著者が、「社会における禅宗の位置」という新たな視点に立って叙述した中国禅思想の通史である。著者の数十年にわたる研究を踏まえ、その到達点を広く一般の読者に向けて提示する。
目次
禅宗の源像を求めて
達摩から東山法門へ
東山法門の中原への進出と「北宗」の誕生
荷沢神会の活動と影響
馬祖・石頭の登場と正統性の確立
語録の世界
唐から宋へ
叢林生活の安定
禅僧と士大夫
看話禅の成立と影響
叢林の変容
国家主義と世俗化の進展
中国社会への埋没
禅の衰亡
近代の衝撃
試練の中での再出発
著者等紹介
伊吹敦[イブキアツシ]
1959年、愛知県に生まれる。1983年、早稲田大学第一文学部卒業。1992年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、東洋大学文学部教授。著書・訳書・論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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