内容説明
アニメキャラのあの行為は「法律」的見地からとらえるといったいどうなるのか?憲法・民法・刑法をテーマに考える。
目次
第1部 法律の基礎(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』―めんまちゃんは結婚できるのか?)
第2部 民法(『狼と香辛料』―錯誤と詐欺;『ハヤテのごとく!』―債権法入門‐ナギによる弁済を通じて‐;『CLANNAD‐クラナド‐』―渚が汐を産んで急死した場合の相続関係;『コクリコ坂から』―婚姻障害の除去)
第3部 刑法(『魔法少女まどか☆マギカ』―QBの乳揉み行為から考える刑法入門;『名探偵コナン』―疫学的証明による因果関係の肯否;『GOSICK‐ゴシック‐』―名誉に対する罪の成否;『咲‐Saki‐』―賭博罪の成否)
第4部 憲法(『涼宮ハルヒの憂鬱』―SOS団と結社の自由)
著者等紹介
ronnor[RONNOR]
法律&アニメのネタを発信するブログ『アホヲタ元法学部生の日常』を7年前から運営。法学同人サークル「QB被害者対策弁護団」の団長として、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』を法律に基づいて考察する同人誌を刊行。平成23年2月に始めたTwitterが『法学系でぜひフォローすべきTwitter50選』に選定された
庄司論平[ショウジロンペイ]
企業法務を中心に、東京近郊で執務を行う弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
3
アニメ×法律を体現した書籍となっている。内容としては、アニメ10作品を取り上げ、そこに潜む法的問題の分析を通し、憲法・民法・刑法の簡単な考え方を学ぶことができる。「アニメ」が好きな方であれば、アニメを見る際の視点が一つ加わることになるかもしれない。「法律」が好きな方であれば、アニメの二次元世界にも法的問題が潜んでいることを理解できるかもしれない。「アニメ」と「法律」がともに好きな方であれば、自分の好きなものが「繋がる」感覚を味わえるかもしれない。この分野が好きな方にとっては、非常に面白く読めると思う。2020/03/25
Mana
1
思っていたよりもちゃんとした法律の本だった。もうちょっと面白おかしい感じかと思っていたので・・・アニメはあくまで事例でしかない。アニメを使っていることは重要な役割を果たしているとは思わないけど、そうでなければ手に取らなかったと思う。2012/08/12
hexia
1
アニメで登場する様々な人物・状況に、無理に現代日本の法律を当てはめその是非を問う。類書も無くはないが、大きな違いは取り上げるアニメの新しさであろう。馬鹿馬鹿しいが、馬鹿を本気でやっており、偉そうに条文を当てはめ解釈する姿はいっそ清々しい。同人で始まった企画であり、作者は現在も新たなアニメの問題に対して様々な解釈を試みている。末永く生暖かい目で見守っていきたい2012/05/06
ずみ
1
「コナン君は存在するだけで殺人罪が適用される可能性がある」「SOS団は暴力団」「咲の麻雀は風営法違反」「QBの乳揉みは公然わいせつ」などアニメ事例を判例等をまじえながら解説しているので一部の読者には非常にわかりやすい、純粋(?)な知的好奇心を満たせる一冊。 次回作がもしあるならば是非、イカ娘を例に「イカ娘ちゃんの侵略行動がはらむ国連総会決議3314に関する国際法違反の危険性」といった国際法に関する解釈について取り上げて頂きたい所存であり。2011/12/29
かんたちばな
0
時折作者のアニメに対する熱いパトスが文面にも表れ、時に共感し、時にツッコみながら楽しく法律の基礎を知ることができる一冊でした。『アニメキャラが~』という昨今流行りの「サブカル+学問」本を彷彿とさせるタイトルではありますが、論じられている内容は至って真面目で、「勉強になる」といっても差し支えないかもしれません。個人的には「あの花」と「CLANNAD」の章は特にためになったなぁという感じでした。こういう形で法律を知れるのは面白い試みだと思うので、できればシリーズ化して、続刊を読んでみたいところです。2013/08/15