内容説明
イギリス留学時代の漱石と、その記憶をたどる東京の漱石。作品・日記・書簡・回想などに錯綜することばの網の目を解きほぐし、夢と現実を往還しつつ生成する漱石文学の秘密に迫る。巻末にはロンドン留学当時に関わる各資料を網羅、整理して詳細な年表を付し、“漱石の倫敦”を俯瞰する。
目次
序章 夢の見られ方から小説の書かれ方へ
第１章 倫敦の不愉快な漱石
第２章 事実と虚構の中間地帯
第３章 嫌悪と違背のコンテクスト
第４章 類似性の探究―隣接性の探索
第５章 洗い出された情動のトルソ
第６章 Ｋという男から伸びる影
第７章 宙吊りにされる結末
第８章 夢・記憶・貨幣
第９章 裏切られた意図追放される願望
第１０章 東京の孤独な漱石
付論 漱石ロンドン留学年表
著者等紹介
中井康行［ナカイヤスユキ］
１９５５年、大阪に生まれる。関西学院大学文学部卒業、関西学院大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程単位取得退学。大阪城南女子短期大学国文科講師・助教授、同短期大学日本語表現学科教授から、現在、同短期大学総合保育学科教授。専門は日本近代文学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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