内容説明
手紙の真実と虚構。女たちが手紙に篭めたさまざまなメッセージ。ツールとしての女の手紙。そのメディア的画貌を多角的に考察。
目次
樋口一葉―実用の面と社交の面
岸田俊子―家族をつなぐ手紙
夏目漱石と森田草平―手紙を書く女・書かない女
『青鞜』―ジェンダーの戦略と陥穽
与謝野晶子―私信と公開状における自己表現
島崎藤村―『新生』にみる手紙の虚実
九条武子―転換点としての関東大震災
谷崎潤一郎―『猫と庄造と二人のおんな』へのアプローチ
太宰治―女の手紙・男の手紙
野上弥生子―「先生」への手紙
宮本百合子と林芙美子―戦時下の手紙事情
著者等紹介
荒井とみよ[アライトミヨ]
1939年(昭和14)、福井県鯖江市生まれ。奈良女子大学卒業。2004年3月まで大谷大学短期大学部教授。専門は日本近代文学
永渕朋枝[ナガフチトモエ]
1962年(昭和37)、大阪府生まれ。京都大学卒、同大学院博士課程修了。文学博士。神戸女子大学助教授。専門は日本近代文学
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