内容説明
文学を通して女という自己から制度に挑んだ樋口一葉を読む。
目次
距離の物語―『大つごもり』への一視点
声というメディア―『にごりえ』論の前提のために
幻滅する「嫁入せぬ昔し」―『十三夜』ノート
『たけくらべ』における制度と「他者」
笑う女と泣く少年―『わかれ道』の位相
“婦人雑誌小説”へのストラテジー―『この子』の深層
「女戸主・一葉」と『われから』
お勢の「物思ひ」―『浮雲』をヒロインから読む
「良妻賢母」への背戻―『金色夜叉』のヒロインを読む
「戦前」文学としての「戦後」文学―『不如帰』への一視点