内容説明
子どもの貧困率16.3%。6人に1人が「貧困児童」という驚くべき現実。親から子へ連鎖する貧困。「もう他人事じゃない、今、日本は子どもの貧困化社会だ。」貧困化時代に苦しむ子どもをどうやって救うのか。
目次
第1章 子どもの貧困とは何か
第2章 子どもの貧困を放置する社会構造
第3章 貧困社会を生きる子どもの実態
第4章 子どもの貧困対策を検証する
第5章 子どもの貧困脱出への模索
第6章 貧困児童の脱出カルテ
著者等紹介
加藤彰彦[カトウアキヒコ]
1941年、東京生まれ。横浜国立大学卒業後、小学校教諭、横浜市職員(寿生活館、児童相談所)などを経て、横浜市立大学教授、沖縄大学教授、同学長を務める。沖縄大学名誉教授。『裸足の原始人たち―寿地区の子ども』(田畑書店)で第1回日本ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
25
著者は、子どもの貧困を考える理由を未来を担う子どもたちの生きる権利を社会全体で真剣に考えなければならないからだとしています。そのためにも、子どもの権利条約や児童憲章の考え方や理念、目指すものを私たちが共有することが大切だとしています。本著は、子どもの貧困とは相対的貧困であり、孤立を生み出している状態だとしています。そしてそうした貧困に私たちが気づき、制度作りが必要だと述べています。とても勉強になりました。2016/10/15
yuzyuz_k
12
著者が、広く知って欲しいと言う思いが伝わる一冊です。読みたくなくなる事実も書いてあります。ここ数ヶ月読んだ本と現実の肌感覚がリンクして考えさせられます。格差の固定の解消を目指して、少しでも力になれる様に動いて行きたいと思います。少し取り組み始めていて、今はまだ芽は出ませんが数年先には何か形にしたいと思ってます。2017/01/31
しゃんしゃん
4
子どもたちの未来は、私たちの未来でもある。子どもたちは親を選んで生まれることは出来ない。劣悪な環境の元でも逞しく生きる子どももいるだろう、けれどそれはほんの一部だ。親の所得が左右する進路という現実。社会全体の歪みから派生する非正規就労、片親家庭等々と問題は多い。それが重大犯罪に繋がっている事実もある。法律、制度は年々充実している。けれどそれを活かし変えていくのは大人のはずだ。人ごとではなく自分に何が出来るのかを問い実行したい。貧困率が間も無く米国を抜き世界1位の日本人として。2016/12/22
Koki Yamashita
2
経済的な貧しさと、人間関係の貧しさは 残念ながらリンクする こどもの家、こども食堂、生活保護、など お互いに助け合い、子供の権利を守っていくことが 国の豊かさにも繋がっていく
ままごん
2
貧困児童対策が進むには各人の気づきが必要とのこと。だけど、どっかの本にあるように自民党が日本会議でいう明治憲法の復活を目指すならば、「貧困児童対策=母親である女性への対策」は女性蔑視によって進むはずもなく、むしろ格差が拡大していってしまうのではないでしょうか。幼児期・子供期の貧困対策・教育対策の大切さや将来への有効性は実証済みのはずなのに、どうしてすぐに対策できないのだろうか。政権の言葉が上滑りしていくのがもどかしいと思うけれど、かといって何もできない(しない)自分自身はどうしたもんかとも思いました。2016/11/22