内容説明
テキストに登場するのは、メ・ティのほかに、マルクス、エンゲルスをはじめとして、レーニン、トロツキー、スターリンなどのひとびと、それにヒトラーであり、またブレヒト自身とかれの協力者たちである。だが、これらの人物たちには、すべて中国ふうの擬名があてられている。どこかでブレヒトは、中国人の名前は「めずらしい花のようなひびきをもつ」と、冗談混じりに述べたこともあるが、それはともかくとして、この書は、全体として『墨子』の「擬書」としてのかたちをとっている。ファシズム/亡命/社会主義、同時代を問い続けるブレヒトの「擬書」。
目次
要点をつく
土地および人間の搾取
土地および人間の搾取
塗りたくり屋のご託宣
改善を要するものらの改善
自分のことをおこない、かれらのことを自然にまかせること
正義という美徳
あるすぐれた闘士
手段をとり替えて
国のなかで特別な道徳など必要とされてはならない〔ほか〕
著者等紹介
ブレヒト,ベルトルト[ブレヒト,ベルトルト][Brecht,Bertolt]
1898年、アウスブルクに生まれる。ドイツ革命とその挫折のなかで戯曲や詩を書きはじめ、『三文オペラ』によって世界の注目を集める。以後、叙事的演劇の理論を確立。1933年にドイツを脱出、スイス、デンマーク、アメリカなど「靴よりも多くの国々」で亡命生活を送りながら『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ガリレイの生涯』などを書き、1948年、東ベルリンに帰る。夫人ヘレーネ・ヴァイゲルとともに劇団ベルリーナー・アンサンブルを設立し、多くの戯曲、詩、小説、物語などを書く。1956年8月死去
石黒英男[イシグロヒデオ]
1931年、名古屋生まれ。名古屋大学文学部卒業。中央大学元教員
内藤猛[ナイトウタケシ]
1936年甲府生まれ。東京大学文学部卒業。日本大学元教員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 電子書籍
- それでも、逃げない 文春新書