内容説明
欲望うずまく本邦科学界、それは日本社会のまるで合わせ鏡!科学立国など夢のまた夢、これが実情だ!
目次
大河内とヤマ師・仁科芳雄の闘い
知りすぎた男と戦時国家体制
日本製原爆は幻だった
原爆製造と人間模様
終戦工作と騙し取られた研究費
大河内と田中角栄の「国盗り物語」
「知の巨人」の最後の光芒
「理研の闇、日本の闇」を考察する
大河内とリコー・市村清の奇妙な関係
理研と原発、そして田中角栄
野依良治、理研の支配者となる
理研の闇が科学を終焉に導く
著者等紹介
鬼塚英昭[オニズカヒデアキ]
1938年、大分県別府市生まれ。国定教科書や御用学者・お追従史家、広告代理店隷属の既得権マスコミ各社が流布する日本の歴史に疑義を抱いてタブーに挑み、国内外の膨大な史料を渉猟して常識を覆す数々の発見を繰り返している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
9
理研の人々や関係者の主に負の部分を上巻に続き描く。鈴木梅太郎、仁科芳雄、湯川秀樹、大河内正敏、田中角栄、リコー創業者市村清等。湯川秀樹が広島原爆投下を知っていたことを仄めかす等興味深い話は多いが多数とは言え著作の調査に基づくだけに表層的になっていてもどかしい。田中角栄の理研との絡みは興味大であるのだが。野依良治、STAF細胞にも言及。著者の生命科学そのものへの不信感には同意できないが最近の理研が大きな成果乏しく、ノーベル賞級の研究者創出に無縁との指摘は当たって様にも思える。STAF細胞は謎多く解明を望む。2021/11/14
Ramgiga
1
前巻に続いて、戦中から、戦後そして今。前巻は大河内の科学立国の理想の実現のための理研の簒奪と肥大化で分かりやすかったけど、後巻は、状況証拠の引用ばかりで、結局、財閥解体で解体され瀕死の理研を、角栄が再出発させたものは何だったのかは分からずじまいな気がした。仮説に基づく小説にしてくれたほうがましだった気がする。2021/09/18
130
1
上巻に続き読了 理研のスタートから戦前、戦中、戦後、独法への変遷が詳しく書かれ読み応えがあった。また登場人物も戦前~戦後の政財会の大物名がズラリ。楽しく読めました。 内容には、引用が多く、作者の思い(思い込、願望を含む)が多く、現実と推測の交錯が多かった。 一番の違和感は、基本的に科学分野の研究は、山師的な要素がないと研究をスタートできない。自分の仮説を信じて研究を行なうのはある意味博打である。山師的要素が一部の研究者にのみあるとの考えには違和感を思える。2017/04/14
アーク
0
小保方晴子氏がかつて在籍しており、かつSTAP細胞騒動の舞台になった理研が戦前から存在していたとは知らなかった。そしてその出自からしてどす黒い闇に包まれているのも驚かされる。陰謀説も入っているような気がするので全て鵜呑みにはできないけれど、創立者がこんな悪事に手を染めていればそれに引きつけられる研究者もそれなりの人物だろうな、と思わざるを得ない。理研の不気味さを克明に描き出したノンフィクション。2016/04/06
たつのすけ
0
◎2016/10/19