文春文庫
三人噺―志ん生・馬生・志ん朝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167679668
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0195

内容説明

道楽三昧でも芸には真摯で毎日の稽古を欠かさなかった父・志ん生。仕立物や内職で家計を支え、夫を立て続けた優しい母・りん。なめくじ長屋の極貧時代に生まれ、父の満州行の頃は楽屋でいびられまくった弟・馬生。七光りと言われないために蔭で人の何倍も努力した弟・志ん朝。名人一家の長女が語る家族の素顔、泣き笑い人情噺。

目次

第1章 泣き笑い一家の幾年月(なめくじ長屋;おめざ;貧乏;チョコレート;うさぎやのどらやき;内職;宿題帳;戦争中;女の鑑;父と娘)
第2章 父・志ん生、弟・馬生、志ん朝(役立たず;漬物嫌いの納豆好き;天衣無縫;怖がり;負けず嫌い;弘法筆を択ばず;蝶よ花よと育て上げ;モダンボーイ;虫の知らせ;うなぎ断ち)
第3章 三人噺(稽古熱心;三人噺;艶聞;お酒;最期の話)

著者等紹介

美濃部美津子[ミノベミツコ]
1924年1月12日、東京生まれ。古今亭志ん生の長女。弟は十代目金原亭馬生、古今亭志ん朝。ニッポン放送勤務中は専属噺家であった志ん生の録音テープの編集も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まあさん

13
美濃部美津子さんは、古今亭志ん生師匠の長女でいらっしゃいます。文章はすべて"語り言葉"…これぞというような東京の下町の語り口で、とても綺麗です。名人一家の逸話も素晴らしいのですが、子供時分の耐乏生活を振り返りつつ、お母様が子供の朝ごはんに作っておかれた「にこごりのように固まったうどんの“おめざ”が何より好きだった」とおっしゃるところが、とても印象に残りました。そうそう、弟(馬生師)が生まれた日に食べた「うさぎやのどら焼き」が美味しかったとも…。私も久しぶりに食べたくなりました。2021/01/31

姉勤

12
志ん生,馬生,志ん朝をお題に三題噺。それは三人の身内でしか出来ないでしょう。遅咲きの名人の父と、早逝の名人のふたりの弟を偲びつつ、極貧のくらしのなか3人の噺家を育て上げたグレートマザーへの手向けの人情話。やさしみといつくしみに溢れた美濃部一家の物語。2013/07/20

ぐうぐう

11
志ん生の長女であり、馬生・志ん朝の姉である著者から見た、三人の噺家の素顔。道楽三昧な父・志ん生、生真面目な弟・馬生、そして可愛がられたもう一人の弟・志ん朝と、噺家としてまったくタイプの違う三人を、しかし血の繋がった著者ならではのあたたかな視点が、強く濃い絆で三人を結び付けている。驚かされるのは、この本が出た当時、著者は80歳近い年齢だったはずなのに、その語りがまるで15歳の少女のように初々しいことだ。家族をを語るとき、彼女は自然と娘のようになるのだろう。そんな著者の人柄も、好感として伝わってくる。2009/09/21

7
天才志ん生を筆頭とする噺家一家の三人を長女からの聞き語りで編んだ一冊。妻、親友文楽を相次いで亡くした志ん生が声を上げて無く場面が涙を誘う。志ん生、馬生が亡くなる直前にお酒を飲む場面も芸人一家の典型を見るようで凄みを感じる。志ん朝が若くして無くなったことで芸の昇華を見れないことが本当に残念との言葉に生の高座を見たかったとしみじみ思う。2011/04/23

食欲魔人

6
馬生さんと志ん朝さんのお姉さんから見た志ん生一家のおはなし。ちゃんと読むまでは自分の贔屓の馬生さんのこと、蔑ろに書かれてたらやだなーと思ってた。でもお姉さんなりに二人の弟は大事だったんだなーとわかってほっとした。志ん朝さんが可愛すぎただけだったんだなーって(笑)そしてお母さんのおりんさん、すごいなぁ。あんなに健気に志ん生さんに尽くしてるのは大恋愛の末の結婚かと思いきや、お見合い結婚だって言うんだからびっくり。志ん生さんはあんなに素敵なお嫁さん貰えて三国一の幸せもんだなー。2014/10/01

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