内容説明
中絶は日本では比較的安易に認められてきたが、中絶はそんなに簡単に認めてもよいものなのだろうか。もし認めるとするなら、どういった状況のもとで認められるのか。中絶は良心の自由に任されるべきだろうか、それとも社会全体が責任をもつべき問題なのだろうか。ゴーマン氏のこの著書は初代キリスト教の中絶観を中心にこの問題を考えるが、そのまえにギリシア・ローマ時代、ユダヤ教、その他諸宗教のとった見解や立場を史料にもとづいて比較、検討している。
目次
第1章 古代社会における中絶
第2章 異教の世界
第3章 ユダヤ教の世界
第4章 初期キリスト教―1世紀―3世紀
第5章 キリスト教の確立―4世紀、5世紀
第6章 中絶と初代教会―より広い関連において
第7章 初代教会と現代社会との関連