内容説明
多くの人を引きつけ、巻き込むアート。社会的なメディアとして機能するアート。アートと社会は、それぞれが他方の一部となり、それぞれの相互作用を通して関係は変化を続け“共進化”的動態を生んでいる。そこに浮上する問題群。著者はこれらの群を確認し、抽出、整理し、考察する。野心的試みが結実した1冊。
目次
第1章 アートプロジェクトの生成と展開
第2章 「地域」とアートプロジェクトの模索
第3章 地域を超えるアート、地域をつなぐアート―地域とアートの関係再考
第4章 コミュニティに向き合うアート―参加、協働、共創
第5章 地域社会と文化資源のゆくえ―文化と経済の間
第6章 震災とアート―「3.11」から見えてくるもの
第7章 文化芸術の効用と社会実装―地域で活きるアート
第8章 市民社会と文化芸術―社会とアートをめぐる課題と展望
著者等紹介
小松田儀貞[コマツダヨシサダ]
秋田県立大学総合科学教育研究センター准教授。1960年生まれ。知識社会学・文化社会学・地域研究・生命/医療研究。2002年より秋田へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
56
各章の章末註★、文末参考文献も充実。本書の各項目を列挙する。自問自答になれば。「価値形成のプロセス」としてのアートーアートと社会のゆくえ(84頁~)。コミュニティに蓄積される「資本」-地域的履歴の「豊かさ」(118頁~)。文化とどう向き合うかー価値と評価の問題と文化芸術の経済化(188頁~)。まちづくり、地域経営の視点(224頁~)。地域の文化資本-地域イノベーションの基盤(226頁~)。もちろん、著者の答えは書いてあるが、自分ならどう書くか? 各項目で答えを出せるように、考えていきたい。特に地域経営論。2023/03/22
スペシャル大納言
0
現代における「アート」とは?様々な事例をもとにその姿や効果を丁寧にまとめてある。読みやすかった。
そうき
0
最近は定着しつつある芸術祭などのアートプロジェクトと社会の関係に関する論考。大地の芸術祭に行ってから読んだ。 アートの敷居が低くなってきているからこそ自分のような人もこの分野に関心を持てるようになっている部分も大いにあり、場所性や関わり方のスペクトラム、アートが社会化していくことへの批判など興味深い点が多かった。2022/11/08