内容説明
現代彫刻の難解さと対照的に、「野外彫刻」は観者の目が捉えた通りのものであり、比較的明快な意味とかたちの世界です。そこに現代美術の暗い局面を脱する1つの方途があるのではないかと考えます。
目次
野外彫刻についての三つの考察(生活空間の装飾として;モニュメントとしての彫刻の現代における意味;野外彫刻と人間との関係)
特別寄稿 都市空間と彫刻―都市デザインの視点で眺める野外彫刻(井口勝文)(野外彫刻が街なかに並び始めて、まだ半世紀。;建物の敷地の中の野外彫刻。その生みの親は建築の公開空地。;建物の敷地の中に設置される野外彫刻に日本の伝統文化を見る。;建築を設計する立場からすると主役は建築本体で、彫刻は脇役。;公開空地が「街の一部」であるアメリカ。建物の「庭」である日本。;石灯籠と門かぶり松と野外彫刻は日本庭園の3兄弟。;ファーレ立川に見る道路空間の野外彫刻。;道路をギャラリーに見立てる野外彫刻。;街なかの野外彫刻を鑑賞する視点が微妙に異なる、日本とヨーロッパ、アメリカ。;都市空間と野外彫刻―これからの日本では。)
著者等紹介
西山重徳[ニシヤマシゲノリ]
1941年、長野県生まれ。早稲田大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科修士。1969年、出版社に入社。翌年に退社し、ローマ大学に留学。1972年同学中退。1990年玉川学園女子短期大学教授。1999年より玉川大学文学部教授。2007年退職。レオナルド・ダ・ヴィンチの「パリ手稿」(岩波書店)翻訳者の一員となる。イタリア・ルネサンス期の美術を中心的研究領域とし、ロレンツォ・ギベルティの遺稿「イ・コンメンタリイ」や、レオナルド・ダ・ヴィンチの遺稿が研究の中心
井口勝文[イノクチヨシフミ]
1941年福岡県朝倉市生まれ。九州大学建築学科卒業、1級建築士、博士(工学)。1970、71年度イタリア政府給費留学(フィレンツェ大学)。竹中工務店、Giancarlo De Carlo都市建築設計事務所、環境開発研究所にて建築設計、都市設計に従事、高度経済成長期の多くの大規模都市開発、再開発プロジェクト、まちづくり事業に参画。2000年より京都造形芸術大学環境デザイン学科教授(2007年まで)。1993年よりイタリア、メルカテッロにて町家の修復事業を続けて2018年同町名誉市民に
さとうあきら[サトウアキラ]
1954年、東京生まれ。明治学院大学、東京綜合写真専門学校卒業。日本で唯一の動物画専門の「藪内正幸美術館」(山梨県北杜市)の開設準備の一つとして、玉川大学通信教育学部で学芸員、司書資格を修得。動物園や水族館の動物たちを撮影している「動物・写真家」として活動。『みんなのかお』(福音館書店)で、1995年度児童福祉文化賞=厚生大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たまご
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