内容説明
地域計画、都市計画、都市デザイン、ランドスケープ・デザインなどの技芸を総動員し、現場からどう取り組んだらよいのか。
目次
第1章 人類の大半が暮らす生活空間―特徴がなく名前の付けようもない空間(国際的な現象である「間にある都市」;古い都市の神話が私たちの視野を遮っている ほか)
第2章 「間にある都市」とは(「間にある都市」の全体像と疑問点;文化と政治の領域での都市の解体 ほか)
第3章 日常生活空間の構成(「システム」と「アゴラ」の葛藤;日常生活がばらばらに分化される ほか)
第4章 デザインの焦点となる「間にある都市」(文化の解釈とデザインに対するアプローチ;美しいものと美しくないもの ほか)
第5章 新しい形の広域計画の展望(「間にある都市」の発展のための概念モデル;広域レベルにおける行政改革の必要性 ほか)
著者等紹介
ジーバーツ,トマス[ジーバーツ,トマス] [Sieverts,Thomas]
ベルリン工科大学で都市計画をフリッツ・エッゲリングに学ぶ。建築家。ダルムシュタット工科大学教授を経て、名誉教授。スカット都市計画事務所所長を務めながら欧米各地で新都市計画について講演している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さたん・さたーん・さーたん
2
本書自体は90年代後半にドイツ人の著者によって執筆された物だが、現代日本の都市とその周辺が抱える諸問題に重なり通じる部分は多く示唆に富む。都市と郊外を再定義、再評価することで過去と未来との軋轢で生じた現代の課題に挑む都市計画を説くが、その手がかりとして現代アートやパラ美学を持ち出すあたり西欧的な下地があってこそと感じた。日本で言えばアニメ文化を用いた町おこしか。環境の違いはあれど、市街地の空洞化や均質化する各地方都市など、海を隔ててもここまで状況が酷似してくるものかと社会問題の大きさに空恐ろしくなる。2023/01/12