内容説明
超人・手塚治虫の生涯を切り抜き編集で追跡。担当編集者座談会・元アシスタント座談会・追悼のことば総集版など、全550ページ。
目次
第1章 手塚治虫という神話
第2章 カットアップ伝記(少年時代;赤本マンガの覇者;早すぎた巨匠;四面楚歌;虫プロ狂騒曲;マンガ王国の崩壊;不死虫;生涯一新人)
第3章 トークイン手塚体験
第4章 ドキュメント追悼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
7
「家にあったんだけど、お前好きだったよな」と、まるでアポーツのように手元に収まった本。戦後すぐから追悼コメントまで、新聞雑誌さまざまの(本人含む)人々の数百のコメントをまさに集め、編んだもの。読んでいてとても愛を感じた。/手塚の「三島由紀夫がライバル」発言をはじめ、石の森の「意地悪されたのは勲章」や編者のひとり竹熊健太郎の「世の中を呪うと同時に未来を信じてた」、掉尾を飾る妻悦子さんの「仕事にブレーキをかけなかったことはいい妻でもあり悪い妻」など、両義性の振れ幅の大きなコメントばかりが印象に残っている。2013/03/18
富士さん
3
すごい、衝撃的でした。手塚さんの伝記的資料であるという以外にも、コピー・アンド・ペーストもここまですると立派な表現であると示した点、見事な仕事だと思います。W.ベンヤミンもいろいろなものを編集して表現する企画を持っていたとか。当然ひとつひとつ出典が記されているので、資料集としても役に立ち、原資料が並んでいるので、時代時代の空気が直接伝わってきます。巻末にインタビューを見ても、ただの受け身のやっつけ仕事でないことが分かりますし、手塚さんがなくなって短時間でこれだけのものを作り上げた編集者には脱帽です。2018/11/30