内容説明
第二次世界大戦勃発に伴う悲劇の数々のため、光彩を失ってしまった20世紀初頭の日系人の歴史は、今になってやっと再評価されようとしています。かつて、このような時代の流れの中にあって、第一次と第二次の世界大戦の間にアメリカで生き、活動を続けてきた日本人写真家の研究は、日系人再発見の先鋒にもなることでしょう。1942年に西海岸から日系人が強制退去させられ、カメラを持つことも禁じられた時、この時代に多様な文化の中で生きた人々のひとつの章は閉ざされてしまったのです。それまでに写真展に多く出品された作品も消失し、破壊されてしまい、写真家たちの業績も忘れ去られました。ロサンジェルス日米文化会館のゲスト・キュレーターであるデニス・リードは、古い写真年鑑の写真展記録や評論のページをあきることなく調べることにより、当時活動していた100人以上もの日本人写真家の姓名を発見したのです。そして実際に調べがついた写真家と同姓の家族に何百回も電話をかけることにより、永い間にわたって時の彼方に失われていた写真作品が次第に姿を現しました。ここに提示した資料と写真は、当時撮影されたほんの一部に過ぎないかもしれませんが、これまでのリサーチの立派な成果であります。
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