内容説明
愛書家で知られたCh・ノディエを代表するボルヘス風の秀作。フランチェスコ・コロンナが美女ポーリアに寄せる禁断の恋物語『愛の戦いの夢』(「ポリフィーロの夢」として人口に膾炙している)の書誌的な逸話をT・W・コッチの(私家版)英訳を底本にして新訳する。『ヒュプネロトマキア』梗概をも付する。
目次
シャルル・ノディエ作 フランチェスコ・コロンナ『愛の戦いの夢』物語
付記―理想的な書物
“作り咄し家”ノディエ(パトリック・モーリエ)
『ヒュプネロトマキア』梗概
著者等紹介
谷口伊兵衛[タニグチイヘエ]
1936年福井県生まれ。翻訳家。元立正大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
62
作者のノディエはフランスの幻想文学の祖で、インキュナブラ(印刷技術初期の本)の膨大な蔵書があった愛書家の本。初期版本の中でもっとも探し求められたものの1冊で美しい版木の1499年に印刷された『ポリフィーロの「愛の戦いの夢」』を題材にしたストレートに愛とは!を語っている。2018/04/14
保山ひャン
2
愛書狂シャルル・ノディエの「フランチェスコ・コロンナ『愛の戦いの夢』物語」に、図書館司書T・W・Kの序文と付記「理想的な書物」、パトリック・モーリエの「“作り咄家”(ノヴェリスト)ノディエ」、さらに『ヒュプネロトマキア』梗概。ノディエの本編は、英訳されたものをもとに翻訳されている。『ヒュプネロトマキア』の古書にまつわるエピソードと、コロンナとポーリアの愛の物語。コロンナが書いたポリフィーロとポーリアの愛の試練も、ノディエが記したコロンナとポーリアの愛の試練も、昨日読んだセサル・アイラの「試練」と共鳴。2015/12/31