内容説明
挿絵画の稀代の天才、ギュスターヴ・ドレに触発された現代ドイツ文学のファンタジスト、ミョルスによる地球から宇宙への雄大かつ奇想天外な冒険旅行譚。ミョルスはこの第3版「付録」において、ドレのイラストがその後発明された映画、ことにディズニー映画にいかに多大な影響を及ぼしたかを指摘している。ミョルス“増補版”の世界初訳!!
著者等紹介
谷口伊兵衛[タニグチイヘエ]
1936年福井県生まれ。翻訳家。元立正大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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保山ひャン
2
パリに移住する前の12歳のギュスターヴ・ドレを主人公にしたファンタジー。20世紀生れのヴァルター・ミョルスが、ドレの挿絵をもとに物語を紡いでいる。アヴァンチュール号の航海、シャム双生児の大竜巻、ダンテとの出会い、死神とサイコロをふる狂った妹、空中飛行、龍の汁工場、裸のアマゾン、龍と決闘、しゃべる馬「パンチョ・サンサ」、夢の王女、恐ろしい巨人たちとの謎解き、青血の湖、巨大ワニ、全怪物中もっとも恐ろしい怪物(翼のあるブタ)、死神からのデッサンのダメ出し。附録として、ドレと映画の関連を説いたエッセイも。面白い!2014/08/28
飲むオレンジジュース
0
突拍子もない展開、敵がなんだかんだ悪い奴じゃないとか挿絵のインパクトと文章が噛み合ってるところが作者らしくて好き。キャプテンブルーベアに近い。冒険ファンタジーだけど普通の物語とは違う自由さがあって、空想の生き物たちにはひとひねりの意外な設定が付け加えられていて、ファンタジー好きな読者を信頼してくれているようだった。ドレの挿絵が1ページまるまる使って差し込まれていて画力に圧倒された。本来どんな物語のために描かれたのかは最後に紹介されていて、ディズニーその他ドレの絵が後世に与えた影響はかなり大きいようだ。2021/03/21