内容説明
コロンブスの誤解が新大陸到達のきっかけになったように、ヨーロッパの思想史では“瓢箪から駒”が幾度も飛び出してきた。ウンベルト・エコはこういう事象を記号論の立場から明解に分析している。
目次
第1章 虚偽の力
第2章 楽園の諸言語
第3章 マルコ・ポーロからライプニッツへ―知的誤解の物語
第4章 アウストラル国の言語
第5章 ジョゼフ・ド・メートルの言語学
著者等紹介
谷口伊兵衛[タニグチイヘイ]
1936年福井県生まれ。1963年東京大学修士(西洋古典学)。1970年京都大学大学院(伊語伊文学専攻)博士課程単位取得。1975年11月‐76年6月ローマ大学(イタリア政府給費)留学。1999年4月‐2000年3月ヨーロッパ、北アフリカ、中近東で研修。1992‐2006年立正大学文学部教授、2006年定年退職、同年4月より非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
10
自己啓発ぽいけど記号学の大家が本格的な研究書『完全言語の探究』に収め切れなかった面白エピソードを収録する、奇想と知性の結合集。薔薇十字団やイルミナティに妄想を膨らます言説が飛び交いつつ、理性の完全言語を創造するかアダムが使った失われし言語を復元するかのどちらを行くにせよ夢見られ続ける、事物の存在様態と表現様態を一致させるアルティメット言語。仕組みが全然似てない日本語と中国語の間で共通に理解される漢字が西洋の脳髄を刺激し、当たるも八卦当たらぬも八卦の易占いがライプニッツに二進法コンピュータ機械を着想させる。2024/06/03
wanted-wombat
0
完全言語の探求を読まねば。2013/08/09