内容説明
時空を超える哲学者。鬼才クレシェンツォの魔術にかかると、古代アテナイでは馴染みの偉大な思想家が歩きまわり、現代ナポリでは顔なじみの隣人が哲学的に生きづいている。
目次
ソクラテス
小ソクラテス派の人びと
ナポリの犬儒学徒シッショ
プラトン
即自的な靴屋アルフォンソ・カロテヌート
アリストテレス
ナポリのアリストテレス、サルヴァトーレ・パルンボ
エピクロス
ストア学派の人びと
懐疑派の人びと
懐疑の賛美者リッカルド・コレーリャ先生
新プラトン学派の人びと
熱烈な折衷主義者レナート・カッチョッポーリ
著者等紹介
谷口伊兵衛[タニグチイヘイ]
本名は谷口勇。1936年福井県生まれ。1963年東京大学大学院西洋古典学専攻修士課程修了。1970年京都大学大学院伊語伊文学専攻博士課程単位取得。1975年11月~76年6月ローマ大学ロマンス語学研究所に留学。1992年立正大学文学部教授(英語学・言語学)。1999年4月~2000年3月ヨーロッパ、北アフリカ、中近東で研修
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感想・レビュー
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イノ
12
ソクラテスの登場でいよいよ哲学が本格的になってきた。 個人から派閥へ 自然から人へ外から内へ そして段々と言ってることが分からなくなってくる。 しかしソクラテスは時代を考えると変人の域。 偉人の生き様も考え方も凄いがドクニンジンをあっさり飲んで死ぬ、 転んだ拍子に息とめて死ぬ、 断食してたらなんかこのまま行けそうって死ぬ、 と死に様も凄まじい。 ちょっと詳しくなった気がする。2016/11/27
Gokkey
9
そしてソクラテス~プラトン~アリストテレスへ続く本書は差し詰め論語物語といったところか?師匠の教えに忠実でありながらも他者の思想も取り込みながら発展させるプラトンとイデアを否定し、自身の思想を形作るアリストテレス。想像力豊かに物語風に展開されるが、訳者の言葉を借りれば極めて「ナポリ的な」書である。その言葉の真意は…下巻の訳者後書きにある苦労話からも察しがつく。2020/12/03