内容説明
世間体、面子、建前、義理、人情!正論も本音も内攻する日本社会の「本質」をさらりと炙り出す傑作ホームドラマ!!第44回岸田国士戯曲賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りえこ
21
やはり永井愛さんの戯曲は、素晴らしく面白いです。こんな人が身内にいたら嫌だなぁと思った。舞台観たかったです。2014/05/13
新田新一
7
厄介者の兄が帰って来て、騒ぎを起こします。兄のことを気遣っているようで、自分の意向をさりげなく優先しようとする周りの人々。日本の社会の組み込まれている建前と本音の使い分けを巧みに描いた戯曲です。小さくなっていた兄が自分の本音を爆発させる結末が印象に残ります。建前だけで生きているような弟の妻を、「お前は偽物だ」と非難。この部分を実際の舞台で見たいと思いました。2023/09/03
ふう
7
二兎社永井愛の第44回岸田國士戯曲賞受賞作。家族友人の本音と建前をあぶり出す予期せぬ兄の帰還。とんでもなく読みやすくて本当にあっという間に読了。問題のある兄という石が投げ込まれたことで広がる波紋に無理がないので、「誰の台詞か」を見なくてもわかっちゃうくらいスムーズに読めた。読後、登場人物の中で誰が一番嫌いか考えた。やっぱり元凶の幸介…いや、案外真弓かも。結局みんな優しい偽善者なんじゃね? 正論のミニバラは今誰のもとにあるんだろう。もしかしたらたくさんのスマホやPCの壁紙として咲き誇ってるのかも。2016/05/12
のほほんなかえるさん
1
久しぶりの一冊。愛しの一冊。2013/02/09
たっつぁん
1
VS世間、もっと大きく言えばVS自分以外の誰かとそれに対する自分というお話。最初の入りからは想像出来ない程にラストは結構ショッキングです。 永井先生の作品の中で一番好きかもしれません。面白いっす!2012/05/16