内容説明
記号論学者U.エコが『バラの名前』の次に放った『フーコーの振り子』はオカルト小説の体裁で観念の世界に挑戦したものだけに、その難解さは想像を絶するものがある。M.ターラモの手際よい解剖は、迷宮に踏み込む人たちの好伴侶となろう。原作について初めて解釈を試みた気鋭の学者T.シュタウダーの論文をも併録。
目次
第1部 作中人物たち
第2部 小説の枠組
第3部 ストーリー
第4部 ベルボのメモリー
第5部 インフォメーション・カード
第6部 ゲーム
付録 U.エコの秘められた自伝としての『フーコーの振り子』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gkmond
1
なんで邦訳と人名表記が違うんだろと思ったら訳書の発行時期がこっちのほうが早かった。資料集が先に出たってどういうこと? と驚いた。付録のシュタウダー論文がなかなかいい感じで、邦訳を待ちながら本書を読んだ人たちはこの付録を読みながら本編を夢見たのかなあとか思った(パワーズ・ブックを刊行直後に読んで未訳の作品夢見るみたいな感じかな)。しかし本編読む前にこれ通読するのは厳しそうだよなあ。どういう情熱で先行リリースになったのかはちょっと気になる。2022/10/01
顔人
0
文字通りフーコーの振り子の指針となる概説書。内容に関してはかなり簡潔にまとめられ、私感を挟まないようになっている。最後の論文は面白い内容だが、いかんせん自分の文学的知識の欠如からついていけない部分が多い。2022/12/20