目次
第1章 ウンベルト・エコ、記号論、中世思想
第2章 中世の簡略年表
第3章 『バラの名前』の歴史的・文学的参照事項への注釈付きガイド
第4章 『バラの名前』の本文に関する注釈
跋文『バラの名前』を読み終えた方のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
歩月るな
5
薔薇の名前読解シリーズの一冊として出ているらしい。むしろ清々しく語ってくれる序文の方に妙味がある愉快な書。邦訳版は全訳されているので、ラテン語についての注釈は原書に重きを置いた場合により有用になる素晴らしいものなのだろう。それよりもあまり重要ではない人物や事柄にも触れた参照事項のガイドはさすがに面白く読めるだろう。何かの偶然で山の翁とパラケルススが同じ見開きに載ってたりしてクスっと来たりするのもまた読書の楽しみなのかもしれない。これもテキストに要請される事柄だったりするという事だろうか。書物の書物の書物。2019/03/11