内容説明
まさに母胎内八カ月の早産児ゆえの「拙速人生」ならではの八〇年だったのか、禁欲的な篤信家庭に育っただけに、逆にロマンを求め続ける土壌が生んだ「業」なのか。とにかく、うしろを振り返る時間を持てずに、この歳になってしまった働き蜂が、たまたま郷土紙上毛新聞インタビュー連載の「源流・上州人と語る」に便乗せるものです。柳行李の中に無造作に滞積せる半世紀を越えるスナップ写真類を、掻き回し、浮上する破天荒な際物人生の軌跡に我ながら驚き、小説を越える興味を覚える語りである。
目次
絵はこころのマッサージ
時流にこびず本物を
「畳文化」の血を継承
大きな存在だった親
友に恵まれ無事進級
海軍工廠で現実知る
入試での人間ドラマ
恩師の記憶は靴の底
船舶特攻で死を覚悟
株で得た絵画購入資金〔ほか〕