出版社内容情報
今の検査で狂牛病の牛をすべてチェックできる? どうすれば私たちが安心して牛肉が食べられるのか……。農水省・厚労省への質問状そして、緊急提案!
はじめに
1997年12月、アメリカの食品医薬品局(FDA)は肉類への放射線照射(以下、照射)を認めると発表しました。しかし、アメリカの法律は少し複雑で、肉類への照射はFDAの許可だけでは実行できません。農務省というお役所の許可も必要なのです。
このFDAの発表からまる2年たった1999年12月、農務省も肉類への照射を正式に認めました。今回の許可はアメリカから肉を輸入している国々に大きな影響をあたえます。とくに日本はたいへんなことになる可能性があります。そこで、このブックレットを大至急つくることにしました。
アメリカの農務省は、冷凍および冷蔵の生肉、腸などの内臓肉、肉加工品への照射を認めたのです。食中毒を起こす菌を減らし、保存期間の延長を目的としています。
ほんとうに食中毒防止や食べ物を長持ちさせることに効果があるかどうかについては、これから読んでいただきたいと思います。が、その前に、アメリカの照射許可の話を聞いてすぐ頭に浮かんだ食べ物は、ファーストフードのハンバーガー、フライドチキン、ファミリーレストランのステーキ、牛丼、学校給食の肉、飲み屋のモツ煮込み、焼肉、クリスマスの七面鳥、ビーフジャーキー、犬の缶詰などです
目次
第1章 種の壁を越えてしまった「狂牛病」、これからどうなるの?(そもそも狂牛病ってどんな病気?;たんぱく質でうつるってどういうこと?;どうして狂牛病は発生したの? ほか)
第2章 消えない不信、農水省・厚労省のウソとごまかし(“日本でも狂牛病が発生する可能性が高い”というEUからの警告を無視して、対策をとらなかったのはなぜ?;狂牛病の牛といっしょに飼われていた牛を、調査もしないで焼却処分にしていいの?;肉骨粉を飼料にすることを禁止してこなかった、その背景にはなにがあるの? ほか)
第3章 「狂牛病」対策、いますぐやるべきことはなに?(農水省・厚労省に求めること、私たちにできること)
著者等紹介
里見宏[サトミヒロシ]
1947年生まれ。公衆衛生学博士。食の安全と健康に関する調査・研究にあたる。食品添加物から農薬・医薬品までが研究対象になっている。現在、カドミウムの環境負荷に関する研究などをおこなっている。東京都特殊(難病)疾病実態調査委員など歴任。国立公衆衛生院疫学部客員研究員。健康情報研究センター代表。食品照射ネットワーク世話人。健康に関する最新情報を提供する『ちいさい・おおきいニューズレター』を発行。『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』編集委員
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