出版社内容情報
福岡を拠点とし、「反教育」をテーマに活動してきた著者が、80年代末から90年代初頭を総括。既成の市民運動への過激なまでの批判、挑発的な言動を通して、90年代以後の組織論・運動論を表明する。
序 章 この人を見よ
第一章 今こそ『退学宣言』を読み返す
全共闘解体の年、鹿児島に生まれる
西南学院中学で「民主教育」を受ける
三陽高校で「軍国教育」を受ける
加治木高校で「日本共産党」に接近する
筑紫丘高校で「自民党総裁」に就任する
『ぼくの高校退学宣言』、その可能性の中心
第二章 全国高校生会議 '89
高校退学。学校変革運動を開始する
高校生新聞編集者会議なるもの
刺激・衝撃の出会い、高校生新聞編集者関東会議 '88
「第一回全国高校生会議」の実行委員となる
ハマムリズムの倫理と高校生会議の精神
ヒッチハイクという移動手段の確立
全国高校生会議当時にみる外山氏の限界性
第三章 反管理教育中高生ネットワーク・DPクラブ
A.初期DPクラブの躍進
反管理教育運動で表面化した「校則問題」
高校在学中のたたかいを「校則問題」に還元した
外山氏のあやまち
童貞作の印税でフリースペース 全国高校生会議 '90
外山氏、南筑高校に電撃入籍
「高校ジプシー」とは何者か?
徹底的かつ日常的トラブルメーカー
浜村氏、著作権法を無視
「学校は抑圧装置だ」にみる外山思想の到達点
第五章 神戸高塚高校校門圧死事件
1990年7月6日 A.M. 8:30
「次はオマエの番だ!
――石田僚子さんの死をムダにするオマエたち」
外山氏らによる集会紛争の中身
反管理教育運動保守本流の理論
コーテツ(外山恒一哲学)はいかに鍛えられたか
「子どもの権利条約」に反対する
同世代「ネオ社会派」のファッション性を撃つ
強烈なニヒリズムと不思議な明るさ貫かれた総括
第六章 DPクラブ解散にいたる軌跡
外山氏、DPクラブ解散を決意
外山氏、『赤旗』で名指し批判される
「『きっといつかみんな分かってくれる』なんて
思えない」
外山氏、今さらポストモダン思想にはまる
模索と変転の果て<
本書は、1988年5月に結成され、1991年6月に解散を宣言したDPクラブの活動の軌跡を、その間に外山氏が書いた文章、もしくは外山氏について書かれた文章の分析をとおして辿り、そのことによって外山氏の思想の推移と現在位置を解明し、その90年代日本における意味を明らかにせんとするものである。
本論の中でも折りに触れて明らかにしていくとおり、外山氏は俗物的とも云えるほどの旺盛な自己顕示欲の持ち主であり、その臆面のなさは、今回の私のような良き理解者が出ず、このまま世間に黙殺され続けようものなら、自分の手で自己宣伝的な第四作目の著書を書き上げてしまうのではないかとからかいたくなるほどだ。
今回はその自己顕示欲がこちらに幸いしてか、容赦なく批判もしますよと云うのに、外山氏は、予告されながらついに発行されなかったDPクラブ機関誌の「廃刊号」に掲載予定だった自身の文章をはじめとする貴重な資料の数々を、快く私に提供してくださった。外山氏の寛大さ(?)に感謝するものである。
(「序章 この人を見よ」より一部抜粋)
目次
序章 この人を見よ
第1章 今こそ『退学宣言』を読み返す
第2章 全国高校生会議’89
第3章 反管理教育中高生ネットワーク・DPクラブ
第4章 高校再入学始末記
第5章 神戸高塚高校校門圧死事件
第6章 DPクラブ解散にいたる軌跡
終章 90年代の闘争へ
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白義
ゆきんこ