内容説明
中国料理を、各地方の食文化から解明しようと試みる実学・こだわりの書。
目次
北京 酒池肉林は本当だったのだろうか
燕(北京)が歴史に躍りでたとき「先ず隗より始めよ」―「冬葱」、「菽(大豆)」は山戒から伝わる。
北京は遼時代に「南京幽都府」とか「南京」と命名された―料理書、資料を読むとき、歴史を知らないと全く理解ができない
「焼地拍鼠」は契丹族・春の宴の料理―鼠は、今も穴からいぶり出し法で捕獲する
馬に乗ったまま飲み食いをした北方騎馬民族の宴会―契丹族の漢化は野性を失う
「桂花陳酒」唐・遼時代のワイン造りに挑戦
遼代の「重九宴(重陽節)」―菊の花を愛でる
「羊肉好み」が流行した北京「中都」 金王朝時代―遼も金も漢化・生食と羊羹の由来
元軍(モンゴル)は、引き連れた替馬の乳、肉、血をすすった―食糧自給自食で進軍スピード・距離は漢族の数倍
元から明朝への激動―北京への糧道と経済を押さえた軍閥たち〔ほか〕
著者等紹介
横田文良[ヨコタフミヨシ]
昭和29年生まれ。現在、辻学園調理製菓専門学校。中国料理研究室主任教授
定延健二[サダノブケンジ]
昭和12年生まれ。辻学園調理製菓専門学校学園長。全国料理学校協会理事。西日本料理学校協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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韓信
1
北京料理を中心とした中国料理について、成立した歴史的背景や小ネタ、現地での食レポから、元代の料理書『飲膳正要』のメニュー再現まで幅広く取り上げる。内容は散漫だが、東洋学畑ではない一介の中国料理研究者で調理師の著者が漢籍(『易県志』のような地方志まで!)を渉猟している点は力作と呼びたい。西太后が西安へ逃げる途中に食べたことで有名な窩頭はザラついて喉越しが悪く喉を通らないくらいまずいらしい。また、劉基が『多能鄙事』という著作に南京・北京の食文化について記録していたというのは初耳だが、仮託じゃないのだろうか…。2016/02/15
ymm
1
再読。食文化と中国大陸の歴史を扱う本ですが、著者が実際に 本の為に現地を回っただけあって知識だけでなく食感や食べ方の説明にシズルがあります。美味しそうでよいのです。棗のように赤くシャリッと焼き上がった鴨の皮よ…2015/02/19
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- 和書
- ローマへの道 小学館文庫