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内容説明
著者は、今の家に住みついてほぼ四十年になる。その歳月の間に、いつか姿を見せなくなった木や草もあるが、植えたおぼえもないのに大木になった木や、はびこり放題の草たちなどほんのささやかな庭ながら、そこに生きている自然の姿は、ときに見ているのが息ぐるしく感じるほど、それぞれが生きる場を競っているのがわかる。本書は、限られた地域や、小さな庭に見る草や木とのつき合いの中で教えられたことのおぼえ書きを、木や草へのお礼として書きとめたものである。
目次
春の章(お母さんのお節句;春菊;天ぷらパーティ ほか)
夏の章(紫陽花;新茶をたのしむ;季節はずれのうぐいす ほか)
秋の章(ジンジャー;枝豆料理;ヘチマ水 ほか)
冬の章(一寸ユズ;豊かさを運んでくれた押し花;私の朝がゆ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mayu
3
吉沢久子さんの著作は初めて読みましたが、この花が咲いたら、この季節家事を、というようなタイミングの測り方がすごく素敵で、贅沢に思いました。季節毎に咲く花や鳥にそれぞれしんみり心にしみるようなエピソードがあり、味わい深い随筆です。花の名前を覚えたときは、出会いであり、おつきあいのはじまり、というようなことが書かれていましたが、季節毎に様子を伺ってこちらの仕事を始める、というのがおつきあい、なのかな。タルカンパウダーやぼてぼて茶、切山椒など、しらなかった面白いもの、素敵な物にもたくさん出会えて嬉しかったです。2014/10/27