内容説明
生存と生活の危機を乗り越え、地域から人間らしい生活を蘇らせる道。経済のグローバル化や多発する自然災害を背景に、いま、日本の経済社会は大きな転機を迎えている。地域を土台に人びとのくらしを立て直す「人間復興」という観点から、日本のみならず、中国、米国、フィリピンのさまざまな地域とクロスさせながら地域形成の諸課題を政治経済学の視点から追究する。
目次
序章 「人間復興」の地域経済学を求めて
第1部 開発と地域形成の史的展開(バブル崩壊後の大阪都心部における土地所有と銀行―銀行所有地の分析―;今日の不動産資本と都市空間形成 ほか)
第2部 グローバル化・格差・災害―地域問題の最前線―(日本におけるコロナショックと未完の復興―高知県の産業・労働・生活を中心に―;中国における養蚕業の発展と地域農業の構造変化―広西チワン族自治区の事例を中心に― ほか)
第3部 地域内再投資力論/地域内経済循環論のフロンティア(取引ネットワーク構造から可視化される地域経済の循環経路;大都市と地方都市の相互資金流動の析出―マネーフローデータにもとづく都市間分析をもとに― ほか)
第4部 地域住民主権と自治体政策の新展開(地域経済のグローバル化と公共調達制度の変容―地域・中小企業と公共調達との新たな在り方を探る―;中小企業振興基本条例の変遷と傾向の変化―条例文の分析を中心に― ほか)
終章 コロナショックと地域経済学
著者等紹介
岡田知弘[オカダトモヒロ]
京都橘大学経済学部教授・京都大学名誉教授。専門は地域経済学、農業経済学、近現代日本経済史、地方自治論
岩佐和幸[イワサカズユキ]
高知大学人文社会科学部教授。専門はアジア経済論、農業・食料経済論、地域経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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