出版社内容情報
基地問題は「沖縄問題」ではない、日本問題である。基地を沖縄に押しつけるための日本政府の醜い財政政策の実態を明かす。「日本人は醜い―沖縄に関して、私はこう断言することができる」(大田昌秀『醜い日本人』)。基地問題は「沖縄問題」ではない、日本問題である。それなのに、基地は不条理にも沖縄に押しつけられてきた。そしてまた、普天間飛行場の返還に辺野古新基地が要求されているのだ。日本政府はその同意を得るために、沖縄に対して財政政策を講じてきた。その詳細を分析して、正に「醜い」財政政策の実態を明らかにする。
序章 本書の課題
第1章 米軍基地を維持するための財政負担
はじめに
1 在日米軍基地の特異性
2 不平等条約である日米地位協定による財政負担
3 地位協定すら守られていない
おわりに
第2章 在日米軍基地と沖縄
はじめに
1 「復帰」前の基地形成過程
2 日本支配下での基地確保政策
3 沖縄の基地の特異性
4 辺野古新基地建設にみる沖縄差別の継続
おわりに
第3章 基地の財政「効果」
はじめに
1 伝統的な基地維持財政政策
1)一般財源
2)特定財源
2 原子力発電所立地自治体と比べた「優遇」ぶり
3 軍用地料が地域社会に及ぼす影響
おわりに
第4章 新基地押付のための財政政策
はじめに
1 新たな財政措置
2 別枠予算で基地押しつけ
3 米軍再編交付金の特異性
4 地方自治をないがしろにする再編関連特別補助金
おわりに
第5章 沖縄振興予算について
はじめに
1 辺野古新基地建設と振興予算
2 沖縄振興一括交付金とは
3 ソフト交付金とは
4 沖縄振興体制は必要か
おわりに
終章 基地は自治体財政充実の阻害要因
参考文献
あとがき
川瀬光義[カワセ ミツヨシ]
著・文・その他
内容説明
基地問題は「沖縄問題」ではない、日本問題である。それなのに、基地は不条理にも沖縄に押しつけられてきた。日本政府の「醜い」財政政策によって。
目次
第1章 米軍基地を維持するための財政負担
第2章 在日米軍基地と沖縄
第3章 基地の財政「効果」
第4章 新基地押しつけのための財政政策
第5章 沖縄振興予算について
終章 基地は自治体財政充実の阻害要因
著者等紹介
川瀬光義[カワセミツヨシ]
京都府立大学公共政策学部教授。1955年大阪市生まれ。1986年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程指導認定、87年同上退学。その後、埼玉大学等を経て2008年4月より現職。京都大学博士(経済学)。主な著作に『台湾の土地政策―平均地権の研究』(青木書店、1992年。東京市政調査会「藤田賞」受賞)、『基地維持政策と財政』(日本経済評論社、2013年。沖縄タイムス社「伊波普猷賞」受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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