内容説明
「原発がないと地域経済と財政は破綻する」論は本当か?柏崎刈羽原発の地元・柏崎市を事例に、原発の建設段階・運転段階それぞれの地域経済への効果を検証すると、十数%という結果になった。電源三法交付金は、地域経済効果が乏しいことの埋め合わせを、電力消費者の負担でおこなっているにすぎない。
目次
序 福島第一原発事故の教訓と柏崎刈羽原発地域(福島第一原発事故が明らかにしたこと;福島第一原発事故後のフクシマの苦しみ ほか)
1 原発に頼らない地域経済への再生(国・東電の原発立地政策と柏崎刈羽原発;原発立地は地域経済を豊かにしたか ほか)
2 柏崎からの発信(原発に頼らないでも柏崎の地域経済は再生できる;原発サイト直近に住む者として ほか)
3 原子力発電所立地にともなう財政収入を検証する(原発が立地するとどのような財政収入が生じるか;電源三法交付金の多様化が意味すること)
著者等紹介
岡田知弘[オカダトモヒロ]
京都大学大学院経済学研究科教授自治体問題研究所理事長
川瀬光義[カワセミツヨシ]
京都府立大学公共政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
9
新刊棚。金子勝教授の岩波ブックレットにあったように、原発は火力より安い(10頁)、は嘘で、高いのだ。事故を起こした後にどれだけの賠償や封じ込めにかかる時間とコストはどれだけか、現在進行形の問題なのだ。柏崎市の従業者のレーダーチャートは、明らかに、エネルギー関係の職種に偏っている(48頁)。バランスが大事だ。柏崎の地域経済は原発関連に依存しなくても、海運、農業、食料加工や、中山間地域の「高柳じょんのび村」の都市農村交流があるという(60頁)。後半は柏崎の関係者が執筆されており、理論と実践が融合する理想の本。2013/09/10
かじやん0514
1
メーデー会場で買って、一気に読めてしまった本。とにかく、原発が地域経済の振興に役立たないことが客観的データの裏付けでもって説得的に論じられている。再生可能エネルギーを軸とした地域経済振興に展望がもてた。2013/05/01
-
- 和書
- 年金入門 岩波新書