出版社内容情報
中原中也は三十歳という短い生涯に青春のうたともいうべき多くの素晴らしい詩を残した。その世界を美しい影絵で再現。現代かなづかい使用。
【収録詩】 サーカス／帰郷／悲しき朝／夏の日の歌／宿酔／汚れっちまった悲しみに・・・／生い立ちの歌／早春の風／六月の雨／北の海／頑是ない歌／曇天／一つのメルヘン／幻影／村の時計／冬の長門峡／正午／童謡
内容説明
今でも多くの人に愛される中原中也の詩。美しくも哀しいその調べは、人の心にいつまでも残ります。本書は、中也の代表作１８を厳選しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
87
中原中也の詩はこれまでも何度か読んできたけど、今までで一番言葉がくっきりと感じられた。デジャヴュのような石井昭氏の影絵が詩と見事に調和していて、これ以上の組み合わせは考えられないほど。あまりにも有名な表題作を含む18篇の詩と影絵を収録。〈詩〉は影絵と出会ったことで、〈歌〉になり、〈物語〉になった。人生の辛苦を雪に託した『生い立ちの歌』、哀歓と希望が交差する『頑是ない歌』、小さな命の風景『一つのメルヘン』、薄命そうなピエロのショートストーリー『幻影』、昭和はじめのサラリーマンの風景『正午』が特に響いた。2015/03/11
ヒラP＠ehon.gohon
24
中原中也の詩を読むと、思いきり自分の人生を遡ってしまうような気がします。それは、音や匂いだけでなく、風景、悩み、様々な原風景と一体化しています。 味わいのある影絵が、ワンクッション置いてくれたようで、今は淡々と振り返ることができました。 影絵が中原中也の詩を、包み込んでくれています。2022/01/05
ごへいもち
13
中原中也の詩が心に響かなくなってしまった…。感性が磨滅したんだろうなぁ2025/01/14
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
『シベリアの豆の木』 https://bookmeter.com/books/1175419 から追っている影絵絵本シリーズ。中原中也の18の詩が載っている。 「 サーカス / 帰郷 / 悲しき朝 / 夏の日の歌 / 宿酔（ふつかよい）/ 汚れちまった悲しみに… / 生い立ちの歌 / 早春の風 / 六月の雨 / 北の海 / 願是（がんぜ）ない歌 / 曇天 / 一つのメルヘン / 幻影 / 村の時計 / 冬の長門峡 / 正午 / 童謡 」 「幻影」と裏表紙のピエロの姿がじんわりきた。2021/11/27
Cinejazz
7
中原中也(1907-1937)の詩風には､短い生涯に秘められた裏悲しさに包まれた､悔恨と憐憫の匂いが漂ってきます｡表題の『汚れっちまった 悲しみに･･･』『サーカス』『生い立ちの歌』『北の海』『頑是ない歌』『帰郷』･･･悲しみの情景が影絵のなかで揺れ動きます｡2021/10/06
