内容説明
「投資家と社員を大切にし、国民経済に役立つ野村証券へ」というスローガンを一貫して掲げて活動してきた監修者が、実際に証券を日々取り扱っている現場から描いた「野村證券」の実態。
目次
第1章 高度成長促進した「ノルマ証券」―その陰で何が
第2章 大口投資家優遇と企業のゆがみ―チェック機能はなかったのか 相次いだ不祥事 暴力団との癒着
第3章 「世界の野村」にみる遅れた体質―男女格差是正をめぐって 女性であるがゆえの昇格差別
第4章 「顧客を大事に」といいながら―女性外務員は 冷遇された人々の叫び
終章 これでいいのか日本の株式市場―規制緩和万能論のなかで ライブドア事件から村上ファンド事件へ
著者等紹介
池田有三[イケダユウゾウ]
1936年生まれ。香川大学経済学部卒業。1958年野村證券入社。1996年の定年まで38年間、営業マンとして勤務、この間、同證券で初めて労働組合結成を手がけ、初代委員長に就任、1983年まで務める。全国証券労働組合協議会事務局長などを歴任
阿部芳郎[アベヨシロウ]
1940年生まれ。赤旗編集局関西総局、日曜版編集部、スポーツ部、社会部などでデスク、記者を歴任。この間、主に司法制度改革、警察問題を担当。退職後、大学のゲスト講師なども。司法ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハンギ
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野村證券・勤続38年、組合潰しのため不当馘首され、訴訟し職場に復帰した方が監修。野村証券に労働組合ができたのは1960年代だが、その動きを事前に察知した会社側の内偵や妨害にあったり、対抗して会社側の意を組んだ組合が作られたりしたそうだ。組合員は地方に飛ばされたりしたが、裁判で勝訴を勝ち取るなどした。ノルマ証券と揶揄されるほど社員の扱いがひどく、女性社員は男性の半分ほどの給料しかもらえなかったという。現在は性差別はやらないが、大部分を非正規雇用に切り替えるなどして体質はあまり変わらないように見える。2013/12/05