出版社内容情報
古来、医学教育は最新の知や技術を学生に教え、医師を養成してきた。中世から現代までの医学実践の変遷を学問史的に概観する論文集。
内容説明
西洋と日本医学の知はどう継承されてきたか。医師養成と知識継承の歴史初の全体像。古来、医学教育は当時最新の知識や技術を学生に教え、医師を養成してきた。西洋および日本の医学教育は、中世・近世期にはどのような知や制度に依拠し、また19世紀以降の近代医学はそれまでの人間観をどう変えたのか?学問史的見地から、大学医学部での教育内容の変遷や、日本の蘭方医による学問受容・形成過程に光をあて、現代にいたる基礎/臨床医学教育のパラダイム移行を概観する画期的論集!
目次
第1部 西洋の医学教育(ヨーロッパの医学教育史(十八世紀以前の西洋伝統医学教育;十九世紀以後の西洋近代医学の成立と特徴)
近代ロンドンの病院医学校と医師資格制度―セント・トマス病院医学校を中心として)
第2部 日本近世の医学教育(江戸時代の医学教育(瀬戸内地方の事例を中心に;米沢藩の事例から;佐賀藩医学教育史))
第3部 日本近現代の医学教育(近現代の医学教育の概観―明治以後の医師養成制度と医学校の変遷;近現代の医学教育の諸相(十九世紀のオランダ語基礎医学教科書と蘭人教師たちの影響;明治・大正・昭和初期の医師資格制度と医学教育機関)
臨床医学教育における医師と医学の原像と「執拗低音」―「ドイツ医学」と「アメリカ医学」の変容に関する一試論
臨床医学教育と疾病構造の変化―日本の結核史と結核教育史
昭和期における医療倫理教育―「医」の思想から「医学の哲学」へ)
著者等紹介
坂井建雄[サカイタツオ]
1953年生。東京大学医学部卒。同学部助教授を経て、順天堂大学医学部教授(解剖学・生体構造科学)。専門は解剖学、医史学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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