内容説明
一九四四年八月二二日、対馬丸はアメリカの潜水艦ボーフィン号の魚雷を受けて沈没したのです。いまから六一年前、太平洋戦争のさなかでした。対馬丸には国民学校の疎開学童八二六人、一般疎開者八三五人が乗っていました。学童ばかりではなく一般の人びとも、疎開することになったからです。対馬丸に乗って遭難し、助かった学童はわずか五九人。本書では、その学童のうち、今も生きている人に、話を聞きました。
著者等紹介
石川久美子[イシカワクミコ]
1933年、東京に生まれる。44年8月、国民学校五年生の時に静岡県土肥町へ学童疎開。翌年、青森県弘前市に再疎開し、敗戦を迎える。56年大学卒業後、84年まで小学校教員を務める。学童疎開体験を綴った『はらぺこものがたり』を月刊誌『がくゆう』の懸賞募集に応募し、入賞。同誌に連載ののち、麦の芽出版より刊行される。『おばあちゃんのパジャマはピンク色』が『児童文学』に推薦され、同誌に掲載される。『みいちゃんと、いっしょ』がラジオ番組(カネボウミセス童話)にて放送される
辻ノリコ[ツジノリコ]
イラストレーター。埼玉県朝霞市在住。育児や子どもに関する書籍のイラストを多く手がける。イラスト制作の傍ら地域の育児支援活動にもたずさわっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
46
先月は対馬丸記念館に行き、色々と考えさせられました。この本では生き抜いたその当時、子供だった3名の方の体験が描かれています。撃墜されてから漂流の話は言葉がならないほどの壮絶なものでした。昨日は対馬丸の沈没された日。今年で75年目。犠牲者の方に黙祷!2019/08/04
ヒラP@ehon.gohon
25
沖縄から学童疎開しようとしていて、沈没した対馬丸から生還できた子どもたちの証言を聞き取りして書かれたお話です。 想像していた以上の対馬丸の劣悪環境と、生き延びるために体験した奇跡が生生しくえがかれていました。2022/05/02
ちゃーぶー
2
戦争を知らない、興味を持たない子供が増えている。8.6ってなに?という人も増えている。しっかり知らせていきたい。2016/07/20