内容説明
時代はイエズス・キリストがパレスチナに自らの教えを広めようとしている頃。当時のパレスチナはローマ帝国に支配され、また、宗教国家の古い勢力が残っていたために、社会は、政治的にも宗教的にもきわめて複雑な状態にあった。そのような時に、キリストの教えは登場し、布教活動が始まっていく。奇跡を起こす力は人々の注目を集め、権力者や金持ちはこぞってキリストを探し出そうとするが、キリストが救いの手を差し伸べるのは清らかな心を持つ者のみであった。原始キリスト教の精神を表現した作品。
著者等紹介
ケイロス,エサ・デ[ケイロス,エサデ][Queir´os,Eca de]
1845‐1900。近代ポルトガルを代表する小説家。その文体は画期的なもので、エサを境に、その前と後でポルトガル文学がふたつに分かれるほどである。作品には当時の社会をテーマにしたものが多いが、ポルトガル人の国民性(『偉大なるラミレス家』)や、『やすらかなきせき』のように、キリスト教の意味など、奥行きのある問題を取り上げたこともある
イエゲル,クラリーセ[イエゲル,クラリーセ][Jaeger,Clarice]
ブラジル、南リオ・グランデ州出身の版画家。1979年から精力的に芸術活動を展開する。主に木版画の制作に専念し、展覧会での受賞も数多い。個展やグループ展にも意欲的に参加。一般文学、児童文学を問わず多くのイラストを手がける
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