内容説明
古今の名画からモリムラ・メソッドにより厳選された約200点の「手」が集結。
目次
PROLOGUE 「手」を語る「手」が語る
1 手の誕生―レオナルドの素手がつかむもの
2 手の礼賛―色とりどりの「手」が開花する
3 手の破壊―カラヴァッジョの痙攣する手は地獄門を開く
4 手の復権―日々の働く手が美しい
5 プラドの手―色彩と光に溶け込む手が予兆するもの
6 手練手管の手―きれいな手の値打ち
7 手の変容―幸せな手、不幸な手
8 手の解体―手は、岩でありダイコンであり紙片である
EPILOGUE 「手」達よ!
著者等紹介
森村泰昌[モリムラヤスマサ]
1951年生まれ。京都市立芸術大学卒業。美術家。絵画や映画の登場人物をテーマとしたセルフポートレイトの写真作品によって国内外で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
50
語りも含め 何かとユニークな森村氏。 手に焦点を絞って、色々な切り口で言葉を紡ぐ。当然好き嫌いは出るであろうが、面白い試みを味わえた。通常、美術鑑賞では「インパクトのある」~表情、血、刃、視線、衣装と言ったところに行くであろう「鑑賞眼」そういえば『手』をじっくり見ることは少なかったかも。油絵や素描、ペンテル、フレスコetc 日本画はなかった。隠避なものへ伸びる手指が印象的だったのは本能かしら。2021/02/18
こきよ
44
手は口ほどにモノを言う。2015/08/07
momogaga
26
ブックカフェ本。手に特化した鑑賞法。そういう手も有ったんですね。勉強になります。早速手持ちの画集でやってみます。2017/05/04
あっぷる
12
図書館にて見つけました。有名な絵画たちの手に注目して取り扱った作品。そんな切り込み方もあるのかと、新鮮な気持ちです。多方面から見られるのが美術の果てしなさでもありますね。 手の表現がいかに雄弁で官能的で奥深いのか、を示唆してくれているようです。説明文は少ないですが、少なからずはっとした部分もありました。多くは手をズームした作品で占められています。2016/09/14
もっちゃか
8
名画の手の部分を切り取って紹介した本。その着眼点がすごい。知っている絵もたくさんありましたが、そこまで手に着目して鑑賞していなかったので、こんなにも手には表情があるのかと新鮮でした。これから絵を観る時には、手の描かれ方にも注目してみようと思います。2013/07/09